2013年08月23日

「風立ちぬ」アキレスとカメ

風立ちぬを見たから、感想を書いたのだけど、
そういえば、「アキレスと亀」に、超反応したあたしだったのに
昨日の感想に書くのを忘れたわ。

映画中では、日本の技術が外国(ヨーロッパ)に、遠く遅れをとっているから
追いつこう、というたとえ話に、「アキレスとカメ」を使っていた。

カメが外国、アキレスは、日本。
20年も遅れている我々アキレスは、歩みを速くして、外国である亀に追いつこう、と。
「アキレスとカメ」は、いわずとしれた、「数学のパラドックス」で、
いまさら説明もいらないかもしれないし、あたしもそう思ってたから、
この日記には、最初からさんざんアキレスとカメを出してきたけど、→コレとか →コレ 説明してこなかったな(笑)。

いまさら説明すると、こんなパラドックス。
ゼノンのパラドックス というの。

アキレスとカメが競争するのだ。どっちが勝つか、という問い。
カメが歩き出す。速度はなんでもいい。
アキレスは、当然カメより足が速いから、ハンデをつけて、カメが少し時間的に先に出発する。
アキレスがカメが歩き出した地点まで到達すると、
カメはアキレスが移動にかかった同じ時間分、アキレスより先へ行っている。
その先同じように、カメが通過した地点まで、アキレスが到達すると、
カメは同じ時間分、先へ進んでいて、決してアキレスは
カメに追いつけれない、追い越せない、というもの。

それを観客としてあたしたちが見てみると、
最初は、アキレスはとっても早く進むのだけど、カメに追いつかないように、
どんどん速度が落ちてしまう事になる。
そして、絶対に追いつけないの。

現実世界ではありえないわ(笑)。

これはどういうことかというと、
わかりやすく、カメとアキレスの速度の違いを 2倍 として、
アキレスのスタート時間においての、アキレスとカメの距離を 1 とすると。
(この 1 は、1メートル という意味ではなくて 単位は無いの。
別に、1メートルとしても問題はないのだけど。)

アキレスは、スタートした次の瞬間には、1/2の距離まで到達した事になる。
カメは当然先に進むのだけど、その進んだ分は、計算上はアキレス側の1/2にくりこまれる事になる。
だから、実際はカメは動いているのだけど、計算上は、ゼロ地点にいて動いていないと思って良いよ。
次の瞬間、アキレスは、その残りの距離の1/2まで移動できる。
そう、その次も、その次も。
残りの距離の、1/2まで。
ということは、絶対に、ぜ っ た い に 、ゼロ地点までは、行けないのだ。
アキレスは、カメに追いつけないのだ。

これは、極限 の問題なの。
微分積分で、極限をどう扱うか、なの。
もしも、1=0.99999999999999・・・という、微積の定義に従うと、
なんと、アキレスはカメに追いついちゃうの。

とまあ、アキレスがカメに追いつく、というパラドックス回避法は
今は横に置いておいて、ゼノンの言いたかった事は、「アキレスはカメに追いつかない」。

その、パラドックスを、映画のセリフで主人公にしゃべらす事に、
ものすごい違和感を覚えた。

だって、「アキレスはカメに追いつかない」んだよ?
日本がいくらがんばったって、その前提だったら、外国に追いつくわけないじゃん。
冗談で言ってるならともかく。
(主人公とその友人は、大真面目っぽかったわ)
数学者ではなくて設計者とはいえ、数字を扱う者として、「言ってはいけない事」だと思うよー。
しかも、カメのほかに、「アヒル」とか言い出して、ぎょっとしたわ。
(ホントに知ってれば、そんなコト言わない)
あるまじき行為だ。

現実世界で、アキレスはカメに追いつくばかりか追い越して、はるか先にまで行けちゃうのは、
それはね、
「アキレス」と「カメ」が、完全に別人だからなんだよ。
パラドックスの中身は、「1」の中で「1/2」「1/2」・・・、と切り取るから、起こる事なの。
「アキレス」と「カメ」が別人という事は、お互い、「1」どおしだから、
ゼロの極限が回避できるんだよ。
あたしは、その事について、4年くらい前からず〜っと考察してるんだ。


posted by 辰多みか at 16:44 | 「1」と「0.99999…」 | 更新情報をチェックする
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