2013年09月19日

天照らす@

☆☆☆☆

アマテラスは、
弟のスサノオに怒って、
天の岩戸に隠れてしまいました。

世界は真っ暗になりました。

やおよろずの神々は、どうにかしなければと、知恵を出し合い、
「世界が真っ暗闇になってしまった時」に、皆がするであろう事と
全く逆の事を、しました。
アマテラスは、「全く逆の事をしている皆」の事を
不思議に思って、ちょっぴり、岩戸を開けてしまいました。

すると、目の前に、「鏡」が差し出されました。
アマテラスは、その鏡に映っているのが自分だとは気付かず、
自分以外にどんなすごい神様がいるのか、と思い、
もっと良く見ようと、岩戸をもう少し開けてしまいました。

その時、そのチャンスを待っていた、力自慢の神様が、
思いっきり岩戸を開け、さらに遠くまで投げ飛ばしてしまいました。

戸に隠れる事ができなくなったアマテラスは、
皆に歓迎されながら、世界に出てきて、また明るく世界を照らすのでした。


☆☆☆☆

あたしは、
妹びいきする母・働かない父・学級委員や無理難題を押しつけるクラスメイトたちに怒って、
心の殻の中の部屋に閉じこもってしまいました。

その頃から、あたしは、「ネクラ」と呼ばれるようになりました。
誰にも、心を開きませんでした。

何年も、そのままでした。
それでも何回か、暗い状態から、ぱっと目の前が開く時がありました。
それなりに楽しい事もありました。けれど、戸は開けてすぐ閉めました。
環境が変わり、新しい家族になり、
ますます、
あたしは戸をしっかり閉めるようになりました。
その間15年くらい、二重ロックのうえに、家具でバリケードまで作っていました。
家族は時たま、戸についている通風孔をわざとふさいだり、
熱湯や針や悪臭や催涙ガスを、そこから投げ込んできたり、
室温をものすごく暑くしたり寒くしたりしたので、
あたしも同じように、
熱湯や針や催涙ガスや爆弾を、
外にむかって投げたりしていました。
部屋には、ドーン、ドーンと、なにかがぶつかる音が、常に聞こえ、
そして振動していました。
振動が大きくなると、通風孔から、いろんなものがボトボト落ちてきて、
あたしはそれでヤケドをしたり、血が出たり、さんざんな目に会っていました。

戸の中は狭いので、だんだん息苦しくなってきました。
通風孔をふさがれなくても、息苦しくなってきました。
いえ、ただ狭くて息苦しいだけなのに、また家族がわざとふさいでいる、と、思ったりもしました。
ドーンドーンという振動は、収まる時がありませんでした。

戸を開ける気なんて、これっぽっちも起きませんでした。
もっともっとバリケードを築いて、どんな力持ちでも、開けられないようにしました。

投げつけられたら、投げ返しました。
血を流しながら、投げ返しました。
けれども、ちっともすっきりしません。
どんどん息苦しくなって、てめぇこのやろう!通風孔をふさぐな!と、
とうとう戸を開けて、文句を言ったら、

そこには誰もいませんでした。


誰も通風孔をふさいでいませんでした。
誰も針や熱湯や催涙ガスを投げ込んでいませんでした。


そこには、

「鏡」が、

ひとつあるだけでした。


・・・つづく→A


posted by 辰多みか at 14:24 | 悟るまでの道 | 更新情報をチェックする
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