2013年12月12日

手からヘンなものが出る人

それは響子さんの手から、出てた。
(よっぽど穿った目で見てるのか?あたし。
でも事実だけを書く。↓)
響子さんは、ハッキリ書いちゃうけど、ものすごく
料理が下手だ。
へたくそ。
(もぅ、くそに失礼なくらいだよ)
響子さんが晩御飯を作ってくれてた頃は、
あたしは「これは罰ゲームか?」と思った事が何度もあった。
あたしのおかずが無い事なんて日常茶飯事だったけど、
あればあったで、飲み込むのがタイヘンな残念な感じのばっかりだった。
(その時は響子さんもおかずが無く、響子さんは煮魚の鍋肌の煮汁だけで
ごはんを一杯、うめぼしでごはんを一杯、のりでごはんを一杯、で、
三杯めしが基本だった。うわ…書いてて当時を思い出して鳥肌が立つ…)
正真正銘のメシマズ嫁。
あたしも自分は料理が下手だと思っていたけれど、
かるくそのレベルを超えてくる数々の作品に、震えあがる毎日だった。
というか、響子さんの旦那サマは、毎晩酒の肴にインスタントラーメンと、
目玉焼きと決まってて、その他大勢は、カレー、が基本だったけどね。
カレーは、金曜日の夜から月曜日の昼くらいまで、朝昼晩3、4日間
毎週毎週だったよ。
(だから恐怖の料理が出るのは、火・水・木くらい)
4、5年はあたしも我慢したけど、こどもたちがカレーを嫌がるようになり、
さすがに我慢できなくなって、あたしが台所を奪い取るように
政権交代してからは、ここはインドか?と思うような事もなくなった。
もう、最後のほうは「響子さんはインドに生まれればよかったねー」
と、喉から出かかって、抑えるのに必死だったよ。
ていうか、カレーを嫌がるこどもがいる家庭って、異常じゃない?!

響子さんがカレーを作るのを、とめなかったわけじゃない。
なんどもなんども、もうやめて、と言った。
一回くらいはやめるけど、また次の週になると、
「カレーが食べたくなっちゃった」と言って、なんでも放り込んだカレーを作る。
そして、響子さんは、そのカレーを、食べないの。
(↑ !!)
なんでも放り込みたい、だけなの。
作ったら、食え! 責任もて!
言い訳をするな!
いいわけができなくなったら、今度は体を使っていいわけするハメに
なる(わざと病気になる)から、いいわけは、するな!
正直に言えー!
怒らないから。
こっちは嫌だったら嫌っていうだけだから!

自分はカレーを食べないでしょぱいもので三杯めし。(高血圧のくせにね)
庭で野菜を作っているから、腐らして捨てたくないだけなの。
キャベツだけが具のカレーとか、ニンニクが20個入ってるカレーとか
玉ねぎが20玉入っているカレーとか(これが一番多いパターンだったな)、
レタスが5玉入ってるチャーハンとか(もうリゾットみたいだったよ)、
毎日毎日毎日。
あたしはその手伝いもしたくなくなってしまった。
だってやめてって、言ってるのに!
あたしたちは、生ゴミ処理機じゃない!って思った。
そして、毎晩のインスタントラーメンに対して、
「ラーメンなんて栄養ないし、こどもたちがほしがるから
やめてほしい」と必死の思いで言ったら、
「え?ラーメンて栄養ないの?」と逆上してうわずった声で返してきた時は、
衝撃が強すぎて、言葉を失いかけたけど、「ないよ!」とものすごい
大きい声で言い返しちゃった。
それからあんまりラーメンは作ってあげない。(けど響子さん旦那は食べたい
みたいだ。こどもかっ!怒!)

響子さんは、片づけるのが、すごく好きなんだ。
家の中をひっきりなしに見て、出して整頓してしまってを繰り返す。
同じ場所には、置かない。
だから、いつもみんなに怒られるけど、場所を動かすのをやめない。
本当に、すごくすごくすごーく迷惑なんだけど!
どうにかして整頓して、「悪いもの」をなくそう、なくそう、としている。
料理も、おいしく楽しく美しく、ではなくて、
どうやって「片づけるか」それしか考えてないんだ。
で、片づけが好き・趣味というのを、認めない。
断固として、認めない。
そうすることは、主婦として当然と思っている。
あたしは、それは、ただの「片づけ魔」だと思うんだ。
一種の強迫観念というか。
やめてほしいと言ったら、「だって気になる」と何度も言う。
自分が、すこ〜し逸脱した趣味を持っている、という事を、
断固として認めない。
あー書いててどっと疲れたわ。

そんな響子さんが作って、冷蔵庫に入れていたキャベツのサラダが、
翌日、赤く変色していたことがあった。
酢に触れると赤くなることはあるんだけど、その痛み具合の進行度が、
はんぱなかった。
こんなすぐなるか?って感じで。
響子さんが作った料理って、いつも冷蔵庫に入れられると、
「しょんぼり」した感じになる。
もともと残念なんだけど、より残念に。
響子さんはラップももったいないので、ラップせずに冷蔵庫に
入れるから余計そうなるのだけど、それでもあきらかに、
あたしが作った料理と、ダメになる速度が違う。
それって、響子さんの手から、出てるナニか、の作用だと、
ホントにホントに、感じるんだよ。
響子さんは、「なくなれ!なくなれ!」と念じながら料理してるんだなって、
横で見てても伝わってきてたよ。
そして、そう言われた食材は、しょんぼりして、ダメになっていく。
ラップもしないなんて、本当に、なくなれ!ダメになれ!って
言ってるのと同じ。
響子さんは毎日気になって気になって草とりをするんだけど、
その、草をとる気持ちと、料理をする気持ちって、同じ気持ちで
やってると思うんだ。
それが味にも形にも、保存状態にも出る。
祝福されたおいしい、みんなを楽しくする料理じゃなくて、
「はやくなくなれ」の呪いにかかった、みじめな料理。
おいしくなくてあたりまえ。
罰ゲームって感じてあたりまえ。
生ゴミ処理って感じて、あたりまえなんだ。

やっぱり「気持ち」って、手から、全身の毛穴から、出るね、出てるね。
あたしは祝福されたおいしい料理を作るよー。
下手だけど料理大好きだし。
今日はフルーツたっぷりのバターケーキを作ったよ。
もちろん「なくなれ!」なんて念じてないよ。





posted by 辰多みか at 17:08 | 響子さんとあたし | 更新情報をチェックする
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