2014年02月16日

てっぺんを取った彼

あたしが超崇拝する、とある彼。
彼は、てっぺんをとった。
(これは比喩とかではなくてリアルな話)

それが、目標だったそうだ。
生きる原動力だったそうだ。
仕事をがんばる原動力だったそうだ。
その仕事で、てっぺんを取った。
当時、日本中が、それを見ていた。

てっぺんを取る前、
きっと頂上に行ったら、後は落ちるだけだと彼は頭ではわかっていたと思う。
だって、てっぺん取ったら後は落ちるだけだぜ!っていつも言ってたもん(笑)。

頂上は、達成感でいっぱいだった。
けれど、頂上は、その"先"が無かった。
頂上だからあたりまえなんだけど。
あんなにも自分で、落ちるだけだぜ!って力説してたのに、
どうやら彼はその覚悟が無かったみたいだ。
自覚してなかったみたいだ。
自分がそうなったら、ホントはどうなるのかってさ。

その後、彼がどうなったかは・・・
プライバシーに関わるので、想像におまかせする。

いっぱい想像しちゃっていいよ…
きっとそのとおりだから。

数年経って、突然彼が、皆の前に現れた。
あたしたちはただ驚愕し、けれど歓迎の声を持って迎えた。
みんな待っていたから。
彼は、数年間の沈黙を破って、過去を話し始めた。
「いや〜、○○が出来たら、あとやる事、なんにもなくなっちゃったんだよね〜。」
「気力が無くなってね。いろいろひねり出してみたんだけど、あれで真っ白になっちゃってね〜、うまくいかなくて。」
すがすがしい笑顔で言った。
ひきこもる直前の、あの淀んだ空気はどこにもなかった。
そうじゃないかなと、訝しく想像してた答えを、
いともあっさり、彼は認めた。
あけっぴろげだった。
禊。
みそぎ。
文字どおり、みそぎをして、
痩せて、余分な物を、出したみたいに見えた。

彼が絶望の後、悟ったかどうかはわからない。
たけど、何を聞いても悪びれず、笑顔で答えてくれた。
当時は聞けない事までも。
ヒミツの会合だったからかもね。
そこに居た人たちだけの、秘密。
そうだ、絶望していた時、壁のシミの数を数えていたんだってさ。

あたしはその時ね、
まだ悟りの世界を見てなかったので、
そんな彼を見て、
「飢えてないと、ダメだ。」と、強く思った。
人間は、飢えてないと、ダメだ。
お腹いっぱい食べてしまったら、もうダメだ。
満腹は、破滅をみちびく。
破滅してはいけない。
だから、おなかがすいている状態で、我慢しないといけない。
そう、強く思った。
心がけよう、とさえ、思った。
あたしは愚かにも、目の前のすがすがしい彼は全く目に入らず、
苦悩した、過去の彼の姿しか、見えなかった。
そんなものは、その場所のどこにもいないのに。

今はね、
さっさと満腹になればいいよ、と思うよ。
てっぺんをさっさと取って、
そして"そこ"には、自分を満足させるものは、何もないんだと、
早く、痛いほどわかるといいと思うよ。
どれほど、欲しい物を集めても、満たされない。
そうしてどん底を体験する。
追い詰められたその先に、本当に欲しかったものがある。
死も諦めるほど絶望した先に、本当に必要な物がある。
そしてそれはもはや、必要なものでもない。
そういう境地。
だから、人生なるべく若いうちに、いっぱい経験していっぱい失敗して、絶望した方がいいと、思うよ。
そしたら てっぺんが、2回 取れるしね。

そのてっぺんは方向が逆向きだから、プラスマイナスゼロだ。


posted by 辰多みか at 09:04 | 悟り | 更新情報をチェックする
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