2014年03月27日

自律神経が見える

昔の話です。
あたしが高校生の頃。

おじいちゃんの、一周忌があった。
おじいちゃんは子供が7人いたので、
一周忌は、親戚が大勢集まり、にぎやかだった。
みんなで、自家用車に乗り合せて、お墓に行った時。

うちの家族は、うちの自家用車一台に全員乗っていて、
お墓の駐車場に着いた時、うしろの席に乗っていた
母は、すぐにドアを開けて出ようとしたんだ。
ところが運転していた父は、車の向きが不満だったのか、
ハンドルを切り返して、一度停めた駐車場から、
出ようとしたんだ。

母は、もう、ドアを開けて、足を出している。
父は、うしろを、見ていない。
そのまま勢いよく車は発進してしまい、
母は、
車外に、転がり出た。
砂利の駐車場に、横向きの体勢で、
転がった。

「痛ぁ〜い」
「ああ、あぁ」
幸い、ひかれてはおらず、腰かどこかを打った程度だった。
でも、突然の事だったので、パニックになってしまい、
あぁ、あぁ、と言いながら、ガクガク震えている。

気が付いた父はすぐに車を止め、あたしたちは、
母の所へ駆け寄って行ったんだけど・・・

もう一人、ものすごい勢いで、駆け寄って来る人がいた。
それは他の車に乗ってた、母から見たら義姉にあたる人。

その、あたしにとっては伯母さんは、
母に駆け寄るなり、
母の、恐怖で血管が浮き出た首筋を指差して、

「ほらっ!これっ!
これが自律神経だよ!」
と、
言ったんだ・・・

得意満面の顔で・・・。


だいじょうぶ?でも、ケガしてない?でもなく・・・
「ほら、これが自律神経だよ〜♪」だなんて・・・。
まず助ける場面でしょう・・・。

伯母さんは、健康オタクだったんだ。
その頃はまだ、みのもんたの昼番組なんてやって
ない頃で、健康ブームでもなかったから、
正真正銘の、筋金入りの、自分で研究するタイプの
健康オタクだったんだ。
毒を抜いた毒キノコとか、
自分で醸造したナニカとか・・・、
冷蔵庫に常にいっぱい入っていた。
体のツボも、とてもよく知っていた。
「健康」に関する事だったら、何時間でも話が
できるほどだった(実際何時間も聞かされた)。

でもね、自分の健康には気を遣い、
健康知識自慢はするのに、
目の前で、事故にあった人に、
だいじょうぶが言えないなんて・・・
他人の無事を、心配する事ができないなんて・・・

もともと違和感があった伯母さんだったけど、
この時、本当に感じたんだ。
「違う」と。

あたしはその時、はじめて「自律神経」というものを、目視した。
後にも先にも、それ一回だけ。
それは、浮き出た血管に見えたけどね・・・
本当に「自律神経」だったのかな。
伯母さんが言ってるその意味は、「交感神経だよ!」と
言いたかったのだろう、という事はわかるけど・・・

健康オタクの伯母さんは・・・
兄弟の中で誰よりも早く、ガンになりこの世を去ってしまった。
あんなに「健康」に、情熱を傾けていたのに。
あの時感じた、「違う」というのは、
この結果を予期してたのかもしれないと思った。
伯母さんに恨みはないけれどそう感じてしまう。
おばちゃんごめんね。



posted by 辰多みか at 10:26 | 病気は自分で作っている | 更新情報をチェックする
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